2017-10-21 神・時間術(樺沢紫苑)を読んだ感想・書評 ビジネス 思考術 脳科学 脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術 posted with ヨメレバ 樺沢 紫苑 大和書房 2017-04-13 Amazon Kindle 楽天ブックス さて本書には仕事の進め方や考え方を変えることで効率的に業務をこなし、他から見た自分の時間(もしくは体感時間)が倍になったかのような感覚を生み出そうという意図がある。そこでまず大事になる考え方は仕事を「集中タスク」と「非集中タスク」に分けることだろう。タスク思考の働き方をしていない人は特にそうなるが、仕事の優先順位の他に、この仕事には頭を使うかどうかという指標がないと、とにかく目の前にある仕事をこなしがちになってしまう。そうすると脳が元気で集中力のある時間に大したことない仕事をこなして、大事な集中力の必要な仕事を脳の元気な時間にこなせなくなる。まずはこの考え方を大事にすべきだろう。ちなみに脳が元気な時間は一般的に朝だと言わている。これは、村上春樹(職業としての小説家 (Switch library))やスティーブンキング(書くことについて (小学館文庫))も取り入れている働き方になる。またある程度分類した仕事をバッチ処理で固めて片付けることはHIGH OUTPUT MANAGEMENTを読んでいると、とても重要であることが理解できるはずだ。 そうなるとある疑問が生じる。「朝にしか大事な仕事ができないのではないか?」という疑問だ。確かに脳の集中力が保たれている時間が朝になるのであれば、そのような疑問が生じることは至極当然といえる。しかし、集中力を高めるのは難しいかもしれないが、回復させることはできる。例えば、60分程度の有酸素運動をとることが挙げられる。 「有酸素運動」をすることで、BDNF(脳由来神経栄養因子)という脳を育てる物質が分泌され、意欲を高めるドーパミンという脳内物質も分泌されます。結果として、集中力が高まるだけではなく、記憶力、思考力、作業遂行力など脳の多くの機能がアップするのです。 意外なのは運動といういかにも疲れそうなことが集中力の回復に役立つという事実だ。もちろん無理のないように取り組むものなのだろうが、そのギャップに驚かされた。もちろん食事や短時間の午睡も集中力の回復には役立つだろう。自分に合ったものを取り入れていきたい。 次にそもそもの集中を継続させる方法について記述したい。本書では四つにわけて説明されていた。①物による雑念。ビジネスマンは、物を探すのに年間150時間も使っているらしい。また、物を探す際に途切れた集中力を回復させるのに15分もの時間を要する。なので、物的なものだけでなくPCのファイル構成も一目でわかるように工夫させよう。②思考による雑念。ツァイガルニク効果という考え方がある。これは、人の記憶に関する傾向を表したもので、中断した出来事のように未達成の出来事ほど人の記憶に残りやすいというものだ。なので、やるべきことはタスクリストに書き出すことで、忘却を防ぐことが必要だし、完了した出来事もどこかに書き出して整理しておくと、いつか必要なときに思い出すことが可能になるだろう。③人による雑念。これは以前に(ワン・シング 一点集中がもたらす驚きの効果)という書籍をレビューした際に記述した。人の声かけによる意識の中断が集中力に与える効果のことを指している。④通信による雑念。これは③と類似しているだろう。今だとスマホを自分の意識の外に持ち出すことが必要なのかもしれない。 他にも数々の実践術が記されていたが、私には重複する内容だったので、割愛している。何にしても大切な考え方は本ブログの中に記しているはずだ。私はこの記事を読み返すことで仕事をより効率的に進めるようにしたい。働き方改革が進められている日本では特に重要な考え方になってくるはずだ。 ○読後のおすすめ bookyomukoto.hatenablog.com bookyomukoto.hatenablog.com 脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術 posted with ヨメレバ 樺沢 紫苑 大和書房 2017-04-13 Amazon Kindle 楽天ブックス