仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方(1/4)の書評
本書は四章にわけられている。そのため私もそれに倣って記述したいと思う。
今回はミスメモリーについてお話したい。
私は四月より新入社員として、大手IT企業に入社することができた。ITといえば、技術的な学びが必要で、そこに対する自己学習が必要だと思っていた。
もちろんそれは当たり前なのだが、新入社員の私が請け負う仕事の多くは、そのような技術的な仕事よりも、何らかの調整作業のようなものが多かった。それはどのような業界にいても大切な、人によってはそんなことにリソースを割いていられないというような仕事だろう。新入社員の僕でさえそう思った。だから効率的に仕事がしたいと思い、本書を購入した。
効率的に仕事を進めるには自分がやるべきことを上手くまとめて、順序良く取り組むことが必要だろう。手当たり次第に取り組んだ結果、出戻りのオンパレードでは作業の進展がひどく遅くなってしまう。
そのためにメモ・ToDoリストの作成は、もはや一般常識といえる。しかし、なぜそうするのかを知らない人があまりにも多い。私はむしろ「なぜこれが必要なのか」が気になってしょうがないタイプの人間なので、それが理解できる本書は良書であると判断した。
近年、取り上げられることが多くなった「ワーキングメモリ」という概念。
脳の記憶部分を①主記憶、②補助記憶、この二つに分けた場合は後者に分類される短期的な記憶を司るものだ。人が本を読みながら数ページ前の内容を覚えているのは、この機能が働いているからである。働いていなければ、次々に理解しては忘れることになるだろう。
このワーキングメモリは補助であるがゆえに、保持できる記憶の要領が少ない。そのためそこに保持する記憶も整理する必要がある。その時にメモ書きをしていると、無駄にワーキングメモリを専有することなく記憶ができるので、メモ書きは脳に、仕事に大切なのである。
これらの考えはとても仕事に大切だと思う。そして私はワーキングメモリについて学んでいるうちに、ある考えを思いついた。いや、思いついたというよりも経験を思い返しただけなのかもしれないが……
ワーキングメモリは仕事の情報を保持しているだけではない。自分の周りで起こっている出来事を一時的にそこで記憶している。つまり、意識していない情報を無意識的にそこで保持している可能性が非常に高い。そうなると複雑な人間関係が表出しているような職場で働いている場合に、それらの無駄な情報が蓄積されてしまい、効率的にワーキングメモリを活用することができなくなってしまう。
これは周囲の顔色を伺う傾向にある新入社員は注意しなければならないことだろう。
これからはこのワーキングメモリの存在を蔑ろにして働くことはできなくなるだろう。