仕事でも私生活と同じように、相手の発言の真意、意図、バックグラウンドを考えるべきだ。一ついえることは、仕事でもプライベート同様に直感を大切にしたほうがいいということだ。仕事は論理的に考えなくてはならないと思い込んでいるビジネスパーソンは多い。だが、直感を重視し、後からそれを論理的に説明するように考えたり、あるいはどうやったら検証できるかを考えるということがあっていい。
④全体像で確認する
一般的にフレームワークを使ってアイデアの創出や課題の整理が行われることが多いように思えるが、著者はこれに反対意見を唱えている。つまり、課題に対する論点のあたりをつけてからフレームワークを使って全体像の確認を行うのが正しいのだと主張しているのだ。確かにフレームワークでガチガチに意見を固めて出すのはこれまでに著者が主張しているところとはズレる。視野が狭くなる可能性やアイデアの柔軟性を削ぐかもしれない。僕たちが直感的に感じたことを大切にしながら、それらを全体像で確認するのだ。間違っても何も問題はない。これらには経験が必要なのだから。また、二つ以上の論点が確認されたとき(中論点以下で起こりやすい)には、それらのレベル感が合っているのかを確認し、対立軸が正しく設定されているのかを確認する。ズレていた場合は全体像の認識が甘いということなのだろう。
論点にあたりをつける。つまり「たった一つのこと」に取組むためのアプローチを本書で学んだが、論点を絞りきれるのかという不安は多少残ってしまった。それに対して著者は「経験が必要だ」と述べている。また、「論点が複数出てくることは何も問題ない、むしろ複数の論点が浮かばないことは視野の狭さなどの問題があることを明示している」と主張している。ほとんどの方はこのような悩みをもって本書を読むことが多いと思うので、ぜひ本書の学びをもって仕事に取り組んでいただきたい。
○読後のおすすめ
すでに読了している方に向けて書いた記事である。