本を読むこと-読書から何かを学ぶためのブログ-

読書のプロフェッショナル目指して邁進中。小説からビジネス書まで取り扱うネタバレありの読書ブログです。読書によって人生を救われたので、僕も色んな人を支えたいと思っています。noteでも記事を投稿しています。https://note.mu/tainaka3101/n/naea90cd07340

流(東山彰良)を読んだ感想・書評

流 (講談社文庫) posted with ヨメレバ 東山 彰良 講談社 2017-07-14 Amazon Kindle 楽天ブックス まるで自分がその物語の中に生きているような感覚を抱く、そんな小説だった。 私は台湾を訪れたことがない。ましてや台湾の事情なんて知る由もなく、最初は人…

スプートニクの恋人(村上春樹)を読んだ感想・書評

スプートニクの恋人 (講談社文庫)作者: 村上春樹出版社/メーカー: 講談社発売日: 2001/04/13メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 67回この商品を含むブログ (371件) を見る『喪失』とは一体どんな状態を指すのだろうか。これは主人公がすみれを失うことで感じ…

リバース(湊かなえ)を読んだ感想・書評

リバース (講談社文庫) posted with ヨメレバ 湊 かなえ 講談社 2017-03-15 Amazon Kindle 楽天ブックス ネガティブな思考が物語を支配している。本書を読んでいると、そんな感想が頭を過った。主人公の男は友達が少ない、そのうえ弱気で世界を客観的に見て…

乱反射(貫井徳郎)を読んだ感想・書評

乱反射 (朝日文庫) posted with ヨメレバ 貫井徳郎 朝日新聞出版 2011-11-04 Amazon Kindle 楽天ブックス 乃木坂46の齋藤飛鳥がおすすめする小説という一点の理由で購入しました。今まで貫井作品を読んだことはなかったのですが、イメージとしては暗い作品が…

容疑者Xの献身(東野圭吾)を読んだ感想・書評

容疑者Xの献身 (文春文庫) posted with ヨメレバ 東野 圭吾 文藝春秋 2008-08-05 Amazon Kindle 楽天ブックス ガリレオとして有名な科学者の湯川学シリーズであり、映画化された一冊。僕も映画化された作品をテレビで見た記憶がある。堤真一演じる石神と福山…

怒り(吉田修一)を読んだ感想・書評

怒り(上) (中公文庫) posted with ヨメレバ 吉田 修一 中央公論新社 2016-01-21 Amazon Kindle 楽天ブックス 映画を鑑賞してから約半年が経ったころ、僕は原作である小説版の「怒り」を読むことにした。小説好きである職場の先輩に「小説の方が背景を深く知…

スタンフォード式 最高の睡眠(西野精治)を読んだ感想・書評

スタンフォード式 最高の睡眠 posted with ヨメレバ 西野精治 サンマーク出版 2017-02-28 Amazon Kindle 楽天ブックス 私は、睡眠時間によって一日の働きの質が大きく変わると自負している。これは、学生時代からずっと変わらなくて、睡眠時間を削って遊んだ…

真相(横山秀夫)を読んだ感想・書評

真相 (双葉文庫) posted with ヨメレバ 横山 秀夫 双葉社 2006-10-01 Amazon Kindle 楽天ブックス 読んでいてもどかしさを覚える小説だった。横山秀夫が書く小説というのは得てしてそういうものが多い。しかし、ここに描かれている人間はもっとずっともどか…

パレード(吉田修一)を読んだ感想・書評

パレード posted with ヨメレバ 吉田 修一 幻冬舎 2002-01 Amazon Kindle 今回の書評には多分にネタバレが伴うので、内容が気になる方は読むことをお勧めしない。 吉田修一の一冊といえば、今は話題作の「怒り」が代表的に取り上げられるかもしれない。しか…

コピー1枚とれなかったぼくの評価を1年で激変させた 7つの仕事術(Shin)を読んだ感想・書評

コピー1枚とれなかったぼくの評価を1年で激変させた 7つの仕事術 posted with ヨメレバ Shin ダイヤモンド社 2017-07-06 Amazon Kindle 楽天ブックス はてなブログで有名なShinさん初の著書。時折ブログを拝見していることもあって読んでみました。Shinさん…

邂逅の森(熊谷達也)を読んだ感想・書評

邂逅の森 posted with ヨメレバ 熊谷 達也 文藝春秋 2004-01-28 Amazon Kindle 直木賞と山本周五郎賞をダブル受賞した本作は、そのような獲得賞名を羅列せずとも、読めば優れた小説であることは一目瞭然である。ほとんどの人は、本書の主人公である富治が従…

調べる技術・書く技術(野村進)を読んだ感想・書評

調べる技術・書く技術 (講談社現代新書 1940) posted with ヨメレバ 野村 進 講談社 2008-04-18 Amazon Kindle 楽天ブックス 何かを書くということにおいて、冒頭部分を記述することは、最も神経を使うことになる。インターネットの発展によって誰もが表現者…

史上最強の哲学入門(飲茶)を読んだ感想・書評

史上最強の哲学入門 (河出文庫) posted with ヨメレバ 飲茶 河出書房新社 2015-11-05 Amazon Kindle 楽天ブックス ピーターティールという男性がいる。彼は、ペイパルの創業者で、現在はトランプの政権チームにも名を連ねている切れ者だ。そんな彼に対して、…

グレート・ギャツビー(スコット・フィッツジェラルド)を読んだ感想・書評

グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー) posted with ヨメレバ スコット フィッツジェラルド 中央公論新社 2006-11-01 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo 村上春樹の小説やエッセイを読んでいると、否が応でも記憶の片隅に、この小説のタイトル…

世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか グーグルの個人・チームで成果を上げる方法を読んだ感想・書評

世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか グーグルの個人・チームで成果を上げる方法 posted with ヨメレバ ピョートル・フェリークス・グジバチ SBクリエイティブ 2017-01-28 Amazon Kindle 本屋で平積みされていたり、Amazonで高評価されて…

イーロン・マスク 未来を創る男(アシュリー・バンス)を読んだ感想・書評

イーロン・マスク 未来を創る男 posted with ヨメレバ アシュリー・バンス 講談社 2015-09-16 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo 「僕のこと、まともな人間には見えないだろ?」 冒頭の印象的なワンフレーズが、ずっと頭から離れなかった。私は、ネットニ…

コインロッカー・ベイビーズ(村上龍)を読んだ感想・書評

新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫) posted with ヨメレバ 村上 龍 講談社 2009-07-15 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo とても重たい小説で読み切るのにとても時間がかかってしまった。非常に文量のある小説であることは、本を手に取った…

スペードの3(朝井リョウ)を読んだ感想・書評

スペードの3 (講談社文庫) posted with ヨメレバ 朝井 リョウ 講談社 2017-04-14 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo 朝井リョウの小説には、人の気持が動く瞬間が鮮明に表現されているような気がする。誰もが抱えている社会で生きていくためのよすがや、…

新時代ミュージックビジネス最終広義 新しい地図を手に、音楽とテクノロジーの蜜月の時代を生きる(山口哲一)を読んだ感想・書評

新時代ミュージックビジネス最終講義 新しい地図を手に、音楽とテクノロジーの蜜月時代を生きる! posted with ヨメレバ 山口 哲一 リットーミュージック 2015-09-24 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo 私は、全く音楽業界と関わりがないというわけではな…

A(中村文則)を読んだ感想・書評

A (河出文庫) posted with ヨメレバ 中村 文則 河出書房新社 2017-05-08 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo とても不思議な短編集だと思った。書いてあることは要素単位で見れば納得できることや私の思考を新しい場所へ誘うものがあるのだが、それぞれの…

静かな炎天(若竹七海)を読んだ感想・書評

静かな炎天 (文春文庫) posted with ヨメレバ 若竹 七海 文藝春秋 2016-08-04 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo 本書は「このミス」で第二位にランクインした一冊で、かくいう私も取り上げられている記事を読んでいるうちに興味がわいて読むことを決めた…

最後の医者は桜を見上げて君を想う(二宮敦人)を読んだ感想・書評

最後の医者は桜を見上げて君を想う (TO文庫) posted with ヨメレバ 二宮敦人 TOブックス 2016-11-01 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo 一時期、エンドコーナーに平積みになっている本書を様々な書店で見かけた。現代的で惹かれやすいタイトルと桜が描か…

いつか、すべての子供たちに(ウェンディ・コップ)を読んだ感想・書評

いつか、すべての子供たちに――「ティーチ・フォー・アメリカ」とそこで私が学んだこと posted with ヨメレバ ウェンディ コップ,Wendy Kopp 英治出版 2009-04-07 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo 大学生の終盤、私が就活をしていて出会った尊敬すべきビ…

直撃 本田圭佑(木崎伸也)を読んだ感想・書評

直撃 本田圭佑 (Sports Graphic Number) posted with ヨメレバ 木崎伸也 文藝春秋 2016-11-11 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo 本書は、著者がスポーツライターとして2010年から約6年間に渡って本田圭佑に直撃取材を続けた証跡を一冊の本として形にした…

異業種に学ぶビジネスモデル(山田英夫)を読んだ感想・書評

異業種に学ぶビジネスモデル (日経ビジネス人文庫) posted with ヨメレバ 山田 英夫 日本経済新聞出版社 2014-11-05 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo 様々な業界のビジネスモデルについて知りたいと思うことがあった。キッカケは、メルカリについてのニ…

たそがれ清兵衛(藤沢周平)を読んだ感想・書評

たそがれ清兵衛 (新潮文庫) posted with ヨメレバ 藤沢 周平 新潮社 2006-07-15 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo 村上春樹が文章の上手い小説家として絶讃していたのが、藤沢周平である。僕は村上春樹のエッセイでその一文を読んで本書を手に取った。当…

星やどりの声(朝井リョウ)を読んだ感想・書評

星やどりの声 (角川文庫) posted with ヨメレバ 朝井 リョウ KADOKAWA/角川書店 2014-06-20 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo 朝井リョウの作品には、何かが欠けていることが多い。 これは技量不足であることを伝えたいわけではない。物語の中に核として…

「あったらいいな」を実現するビジネスのつくり方-ひとりではつくれない価値をみんなでつくる-(山中哲男)を読んだ感想・書評

「あったらいいな」を実現するビジネスのつくり方 -ひとりではつくれない価値をみんなでつくる- posted with ヨメレバ 山中哲男 パブラボ 2014-05-06 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo 以前にどなたかのブログを拝見していると、本書に関する書評が記載…

潮騒(三島由紀夫)を読んだ感想・書評

潮騒 (新潮文庫) posted with ヨメレバ 三島 由紀夫 新潮社 2005-10 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo 一週間ほど前、ふと僕は風景描写が上手い小説家の本を読みたいと思った。一年ぐらい前の僕は、心理描写に特徴のある文章が好きで、そのような特徴を…

グーグルに学ぶディープラーニングを読んだ感想・書評

グーグルに学ぶディープラーニング posted with ヨメレバ 日経ビッグデータ 日経BP社 2017-01-26 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo 近年、ビジネスに大きな変化をもたらすであろうと目される技術として「人工知能」が挙げられる。具体的な実装技術を記し…