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ゼロ〜何もない自分に小さなイチを足していく〜(堀江貴文)を読んだ感想・書評

 かつては時代の寵児と囃された堀江貴文。彼は過去にある後悔の念を抱いているらしい。それは「自分について開示してこなかったこと」である。なぜ、それに対して後悔するのか。逮捕された事に関する後悔ではないのか……。
 堀江貴文が自己開示に対して後悔した理由は、自分が伝えたかったメッセージが、自己開示なしでは何一つ伝わらないと自覚したからだ。堀江貴文は努力をしたことがない。というよりも努力を努力として自覚してこなかった。ただ目の前にある何事かに没頭してきた結果、いくつもの挑戦を成功に導くことができた。だから結果に至るプロセスである努力については語らず、結果についてのみ語ることで、周囲の人間は彼のことを非常に合理的な人間として扱ったらしい。マスコミの報道によって彼を知る僕たちも同様の考えを持っていたのではないだろうか。
 彼は本書で自分がどのように生きてきたのか、努力してきたのかを語ることで、自己開示を図ろうとしている。それは彼が伝えたいメッセージ「小さな経験を積み重ねて、ゼロからイチにすること。何もないゼロの状態で楽をしようとすることは、ゼロに対して掛け算を試みることだから、まずはイチを加える経験を……」と合致していた。
 本書では堀江貴文が様々な努力をしてきたことが明かされている。その中でも印象的なメッセージが下記である。
 経験とは、経過した時間ではなく、自らが足を踏み出した歩数によってカウントされていく
 確かにそうだ。経過した時間が経験になるのならば、僕たちは特に何かを憂う必要はない。時間の経過が全てを解決してくれるからだ。しかし、時間の経過が解決してくれるものはあっても、全てを解決してくれるという保証は全くない。
 世の中は自分自身への信頼や投資を笑う傾向がある。笑われない人間はどちらかというと周囲から努力することを認められている人ばかりで、その人は既にある基準を超える努力をしていることがほとんどだ。これじゃあ堀江貴文が言うところのゼロからイチを加える経験が抑制されてしまうかもしれない。それでも本当に何か大切なものを追いかけたい人は、その抑制に負けずにイチを加える必要がある。そんな僕たちを勇気づけてくれる堀江貴文の一言で本ブログを締めたい。
失敗なんか怖れる必要はない。僕らにできる失敗なんて、たかがしれている。

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