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第29回小説すばる新人賞受賞者が決定 驚きの16歳

 タイトルの通り、小説すばる新人賞の受賞者が決定したようだ。

 急いで小説すばるを購入すると、なんと受賞者は16歳ではないか。大抵の人は自身よりも若い年齢で活躍している人と対峙するとき、「その頃の年齢の自分って何をしていたっけな」と振り返るのではないだろうか。僕も選評や作品を読む前に同様の行為をした。思い返せば16歳の僕は他の誰と大差なく、普通に学校に通っていた。小中学校と不登校の時期があったので、それと比べると安定して学校に行けている自分を評価してあげよう、といったところが他と比べたときに特異なぐらいだ。まあ、とにかく人に誇れるようなスキルや経験を16歳の僕はなんら持ち合わせてはいなかったということだ。

 受賞作「星に願いを、そして手を」を執筆した青羽悠さんはたった一枚のモノクロの写真からでも十分に伝わる若さを備えている。以前に朝井リョウが同様の賞を受賞したわけだが、彼なんかより見た目も年齢も実際に若いわけだから、小説すばるを長年購読している読者なんかは特に驚くのではないだろうか。若い小説が続々と世に出てくれるのはとても嬉しいし、彼らにしか描けない作品を世に送り出してほしいと切に願う。若者の視点や想いを描き切ることが十分な作品の魅力として成り立つことを彼らは証明してくれるだろうから。

 実際の受賞作が途中までではあるものの、掲載されているので読んでみた。確かに選評でも指摘されているとおり、文章は荒い。人称が急激に変化しているように思える場面も何度かあって、疑問を抱きながら読み進めている箇所があった。しかし、所々で訪れる主人公たちが何らかの変化を想い耽る場面でぐっと心が惹かれた。僕自身も世間一般でいう若者で同様の悩みや疑念を抱き続けてきたからに他ならない。それを16歳の彼がしっかりと表現できていることにも驚かされた。文章力はこれからの課題なのかもしれないが、小説に対してのひたむきな想いはあるのだと感じた。正式に本作品が刊行されるのが楽しみである。

 

小説すばる 2016年 12 月号 [雑誌]

小説すばる 2016年 12 月号 [雑誌]

 

 

 

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