2018-07-30 パンク侍、斬られて候(町田康)を読んだ感想・書評 小説 パンク侍、斬られて候 (角川文庫) posted with ヨメレバ 町田 康 角川書店 2006-10-01 Amazon Kindle 楽天ブックス 語弊を覚悟で発言するのであれば、本書は「勢いだけの小説」です。新興宗教によって滅んだ藩の行く末を見届けた男が、それを理由に貧乏藩に取り入ろうとするところから物語は始まります。それから次々と癖のある人物が出てきては、見栄や虚勢のために次々と不要な言葉を放って、人を動かしていきます。あれよあれよと頁を捲っていると次々と人が倒れていて、気づいたら物語が終わっていました。僕は、あまりにも唐突な物語の終幕にぽけーっとしてしまいました。 それじゃあ、この本のなにが一体面白いのか。僕は、それを会話だと思いました。とにかく色んなやつが色んなことをしゃべります。みんな会話の流れよりも自分の話したいことを話すし、時代小説にも関わらず現代的な横文字が連発しています。挙句の果てには猿がしゃべり出すので手がつけられません。これだけでも十分に面白いのですが、彼らは色んな企みを持っていて、その成就のために喋るので、読者が知っていることと違うことが起こったりするのです。まるで芸人のコントのようなテンポ感でくるので、それが面白くてしかたないのです。 このテンポ感を映像で表現したらどうなるのだろうかとついつい考えてしまいました。時間をつくってどこかで映画も観たいなと思います。 パンク侍、斬られて候 (角川文庫) posted with ヨメレバ 町田 康 角川書店 2006-10-01 Amazon Kindle 楽天ブックス