2018-05-20 ストーリーで考える「見積り」の勘所(中村秀剛)を読んだ感想・書評 SIer ストーリーで考える「見積り」の勘所 (開発の現場セレクション) posted with ヨメレバ 中村 秀剛 翔泳社 2008-03-12 Amazon Kindle 楽天ブックス 見積りは大雑把に二つの分類ができると考えている。一つは、新規案件の見積り。二つ目は、既存システムの改修案件の見積り。本書は更改+全く新しい機能を使ってシステムを一新するような案件がベースになっているので、一つ目の分類に当てはまると考えられる。私は、二つ目の分類に関する見積りが控えているので、若干違う部分もあったのだが、見積りのスコープを考えるうえでは、新規案件の広さから絞り込みをかければよかったので、そこは大きな問題にならなかった。 本書で何度も強調されているのは、「曖昧さ」の抹消である。曖昧な部分を残してシステム開発することは恐ろしい。そうわかっている人が多いと思うが、見積りにおいてもそれは同じだ。曖昧な部分が残っていれば、それに伴って工数やスケジュールに大きな影響が出る。それを防ぐためにも曖昧な状態は残さないようにすべきだ。そして、RFPはクライアントの要望が詰められたもので、これは要望の枠を超えないので曖昧なことが多い。だからRFPを信じきって見積りすることも禁じられていた。 そういえば私は、ウォーターフォールのシステム開発が、三段階の見積りになっていることが不思議で仕方ない頃があった。最初の概算見積り→基本設計までの見積り→詳細設計以降の見積り、である。これはおおよその予算感を把握してプロジェクトを走らせてから、要件定義し、そこで決定したことを以降の工程に反映させるための仕組みのようだ。よくあるのが、要件定義でスコープが広まって、詳細設計以降の金額が増加するケースだ。これは、要件をまとめた者同士は納得しているのに、財布を握る部門が許容しないことがある。なぜ概算見積り時点で検討できていなかったのですか? と。今までは、要件定義で必死に会社の抱える問題と向き合った成果なのだと強調してきて、それが伝わっているのだが、それもかなり気をつかう。しかし、提案とは必死で向かい合って突き通すものなのだ、と以前に書籍で読んだことがある。それを肝に銘じる必要もあるだろう。 〇読後のおすすめ bookyomukoto.hatenablog.com 私は、本書で提案について学んだ。 ストーリーで考える「見積り」の勘所 (開発の現場セレクション) posted with ヨメレバ 中村 秀剛 翔泳社 2008-03-12 Amazon Kindle 楽天ブックス