2017-10-07 ホワイトラビット(伊坂幸太郎)を読んだ感想・書評 小説 ホワイトラビット posted with ヨメレバ 伊坂 幸太郎 新潮社 2017-09-22 Amazon Kindle 楽天ブックス 若干ネタバレを挟む。 本書に出てくる刑事は人知れず殺人を犯している。それは過去に被害者によって多大な苦しみを与えられていたからに他ならない。動機は明確で、私もこの判断を後押ししたくなってしまう。一方で刑事は自然発生的な感情を失い、周囲に合わせるために取り繕うようになる。そんな刑事は綿子ちゃんとその夫を救った際に自首する。自首の動機や事件の収束については語られていない。「a night」というサブタイトルが示すとおり、一晩の出来事を追った小説なのだから仕方ない。しかし、人殺しの経験がある刑事が自分たちの住む街を守っているというのは、市民からするとどうなのだろうか。動機が確かである分、逆に信頼が増すような気もする。そう考えると理由が不明瞭であったり、衝動的な殺人だったりすれば、今までにその人がどのような信頼ある言動を示していても一息で崩れていくんだろうなと思う。人と人との信頼とはとても難しい。マイナスの強い要素はとことん信頼関係に響くのだと思わせられる。 ○読後のおすすめ 首折り男のための協奏曲 (新潮文庫) posted with ヨメレバ 伊坂 幸太郎 新潮社 2016-11-28 Amazon Kindle 楽天ブックス bookyomukoto.hatenablog.com