2017-09-02 さよなら的レボリューション(東山彰良)を読んだ感想・書評 小説 さよなら的レボリューション: 再見阿良 (徳間文庫) posted with ヨメレバ 東山 彰良 徳間書店 2016-03-04 Amazon Kindle 楽天ブックス 何が一体読者の気力をここまで沸かせることができるのだろうか? わたしは高良の飽くなきトライ精神がそうさせるのだと信じている。高良は、とても陰気な人間だ。言わなくてもいい余計な一言なしに会話を終えることができないし、屁理屈の口述だけが上手くなるので、人間的な魅力は減っていくばかり。そんな彼が恋に落ちて変わる。小さなアクションを起こすようになるのだ。ただこれだけだとその辺の恋愛小説と何ら変わりがないように思える。しかし、高良のトライ——自分の殻を破る行動——は、ここで収まらない。中国に渡り偶然目にした、歴史によって狭間に取り残された女性を救うために行動を起こす。結果的にこれは失敗に終わるけれど、高良の中に芽生えた意識は、一連の行動なくして生まれなかった本物の魂だ。彼の恋心は時間を経て人間に対する大きな愛へと成長している。こんな青春パンクを見せつけれて、その場にじっとしていられるわけがない。 ○読後のおすすめ 流 (講談社文庫) posted with ヨメレバ 東山 彰良 講談社 2017-07-14 Amazon Kindle 楽天ブックス さよなら的レボリューション: 再見阿良 (徳間文庫) posted with ヨメレバ 東山 彰良 徳間書店 2016-03-04 Amazon Kindle 楽天ブックス