動機(横山秀夫)を読んだ感想・書評
- 作者: 横山秀夫
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2002/11
- メディア: 文庫
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横山秀夫の二作目である本書を読了した。意外だったのは本書の短篇四作における主人公の職業が、表題にもなっている「動機」を除いて、警察官でないことである。僕が今までに読んできた横山秀夫作品は全て主人公が警察官だったので、てっきり本書もそうだと思い込んで読み始めたのだ。もちろん主人公が警察官ではないからといって、彼の書く小説の面白みが消えることはない。突発的に起こる危機の連鎖とそれに伴う心理描写の連続は、この頃から変わらない。もちろん今の横山秀夫のほうが、その特性をより活かしてるとは思うが。
逆に言えばシチュエーションや職業の違いから、イメージとは違う横山秀夫作品を求めた人には、あまり満足できない作品だったかもしれない。
僕はどの作品も楽しんで読むことができた。なんとなくだけど想像つく結果の少し上をいってくれる感じが心地よい作品たちだった。個々のキャラがとても活きているのも横山秀夫作品の特徴で、一度彼の作品を読むと、また続けて読みたくなる中毒性に少し困ってしまう。
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