下町ロケット2~ガウディ計画~(池井戸潤)を読了したので、感想や書評[レビュー]
下町ロケット2~ガウディ計画~を読了したので、その感想を投稿したいと思います。
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※ネタバレを含む可能性があります!
下町ロケット2!面白かったです!
個人的には前回よりも読みやすく、面白かったように感じました。
もちろん、前作を読んでいるからキャラの特徴を掴んでいたし、それが読みやすさを演出していたようにも思えます。前作を読んでいない方は文庫版の「下町ロケット」が販売されているので、一度読んでから本作を購入することをオススメします。
そういえば、現在ドラマも放映中なんですよね。自然と阿部寛で脳内再生されていた気がします(笑)
本作の下町ロケットでは、権威や金のために不正をしてでも、ビジネスを成功させようとさせる男が続々と出てきます。
最近、世間を賑わせている旭化成の杭打ち問題とリンクさせて読み進めている方も多いのではないでしょうか?
本作でも下請けの不正が暴かれていて、他の関係機関はそれを知らなかったから私たちも被害者なんだ、と言い張っています。(嘘ではなく実際に知らないのですが)
実際のその問題に言及したいわけではないのですが、本作で描かれている内容も含めて、そのような問題の構造って、外部からは何もわからないんですよね。その状態で、こんな不正があった!すみません!とだけ言われても、どうしようもなくて、実際には色んな保障の問題になって、、、と進展していきますが、しばらくすると当事者以外は、「そんな問題があったなあ」という程度にしか記憶が残りません。
可能ならば明確にどのような問題が出てくるのかを明らかにしてほしい。しかし、今の企業はそのような問題があった際に戦略として、その答えの発表を遅らせることで、周囲の注意の目が逸れたときに発表し、リスクを減らそうとしているように思えます。
そして、何回も似たような事件が起きて、、、なんてことを思いながら読みました。
このような作品の中で、悪役である一部の人間が最後に自身が業界の中で本当に求めてきたビジョンを思い出しているのは、池井戸潤がどんな人間にも、そのような希望があるはずだと想いを込めているからなんでしょうか。個人的にはとてもいいなあ、と思いました。
↑前作についても書いてます!