世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか グーグルの個人・チームで成果を上げる方法
posted with ヨメレバ
ピョートル・フェリークス・グジバチ SBクリエイティブ 2017-01-28
本屋で平積みされていたり、Amazonで高評価されていたことをキッカケに本書に興味を抱いた。それから何度か買おうと思ったことはあったのだが、他に溜め込んでいた本がいくつもあって、中々購入まで至らなかった。しかし先日、仕事中にある疑問を抱くことになった。それは、解決できる仕事を後回しにしようという先輩の意見を聞いたことだ。もちろん私だってバカではない。他に優先することがあるのであれば、それに準じて仕事を進めるべきだし、その結果、今回後回しにされた仕事が優先度を低く見られても仕方ないとは思う。だが、それは人手や時間が限られているときの話だと思う。今回に限って言えば、その問題は過去に類似の解決事例があったし、それに対処できる人間もいた。その問題が発覚した時点で解決の道筋が見えていたのだ。それにも関わらず先輩は、その問題を後回しにしたことに疑問が潰えなかった。私は、そんなときに本書を手に取り、購入した。まさにこれに関する問題提起がなされているように思えたからだ。
さて、その問題提起とは何か。それは問題をその場で解決しようとする思考を持つべきというものだ。著者が以前に努めていたグーグルには、共有ツールがたくさんあり、それを使って共同作業の充実が図られている。それは一般開放されているアプリなどでも実感することは十分に可能だろう。それらを使って、その場で問題解決することを著者は提案している。それがタイトルにも表れている。メールよりもスピード感のある電話やチャットを使うべきだというのだ。
私には、この言葉がとても深く刺さった。というのも、お客様との打ち合わせで何度も課題を持ち帰る自チームを目にしてきたからだ。私は、これがとても嫌で仕方ない。その場で可能な限り不明点を突き詰めていかないと、次の打ち合わせでも同じような課題に直面したり、最悪だと意識の共有が甘くて同じところでずっと躓いたりする。こんなことをしなくても済むように、その場で可能な限り問題を解決できるようにしたいと思っていた。しかし、下っ端の私の意見だけではいきなり全ての流れを変えることはできない。だから少しずつ、私が担う部分だけでもいいから、そのような考え方を改めて、その場で解決できるように仕事を進めたいと思った。
さて、問題を少しでもその場で解決するために著者は三つのことを提唱しているので、それを記したい。
①わかっていることとわかっていないことを切り分ける。②質問する。整理する。③時間をとる。以上の三点だ。特に①は大事な要素だろう。そこが上手くできないのであれば、次にとる行動が正しいのかどうかも判定することができなくなる。だから問題の切り分けを可能な限り意識するようにしようと思う。
最後に著者が何度も提唱している考えを記述して終えたいと思う。著者は、「自分の仕事をなくすことを考えろ」と言う。AIによる環境の変化が叫ばれるこの時代。自分たちがどのように仕事を創っていくかが問われているように思える。その中で著者の言葉は浮いているように思える。しかし、著者は、自分が関わっている仕事をなくすようなアイデアを考えることで、今の成果を超える成果を生み出そうと提案しているのだ。今の10倍の成果を考えさせられるグーグルで培われた考えなのだろう。効率的に業務をこなすだけでは、決してたどり着くことができない領域がそこにあるのだと思った。私もそんな大きな視野を持って業務に励みたいと思う。
○読後のおすすめ
How Google Works (ハウ・グーグル・ワークス) ―私たちの働き方とマネジメント
posted with ヨメレバ
エリック・シュミット,ジョナサン・ローゼンバーグ,アラン・イーグル 日本経済新聞出版社 2014-10-09
世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか グーグルの個人・チームで成果を上げる方法
posted with ヨメレバ
ピョートル・フェリークス・グジバチ SBクリエイティブ 2017-01-28