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恋文の技術(森見登美彦)を読了したので、感想や書評[レビュー]

 恋文の技術(森見登美彦)を読み終えたので、その感想を投稿したいと思います。

 

恋文の技術 (ポプラ文庫)

恋文の技術 (ポプラ文庫)

 

 

 

 本作では研究のために、まるで島流しのような憂き目にあう男子大学生が、それを機に先輩や友人たちと始める文通を基にストーリーが展開していきます。一般的な小説のような地の文はなく、全てが文通の内容でしか判断できないのは、マイナスポイントにはならず、むしろ見てはいけないものを見ているような気持ちにさせてくれました。他人のメールの内容をなんとなく、意味もなく覗きたくなるあの気持を満たすことができました(笑)

 

 森見登美彦作品にありがちだと思うのですが、恋をどう成就させるのか、気持ちを伝えるのか、という点に焦点を当てて必死に問答する主人公のダメっぷりに共感することができます(笑)

 私は恋文に手を出したことはないのですが、メールやLINEで好きな女の子に連絡を取る際の、あまりにも阿呆な自己問答が記憶に浮かびました。守田が何度も伊吹さんへの手紙を破り捨てて書きなおしていたように、私も何度も送信ボタンを押さずにメールを消去していました。結局は自分の書いた好きな女の子に対する文なんて、何度読んでも恥ずかしいし、気持ち悪いんですよね(笑)

 だからこそ、お付き合いした男女が記念日なんかに書き残す手紙は一生の宝になるのかもしれませんね、、、いつまで経っても笑えそうですし、、、

 やはり「恋文」は時代の変化も合わせて、恋人同士のやり取りに特化したといえるでしょう!だからこそ、私は結婚でもすれば、記念日に手紙を送ってみたりしたいなあ、と思います。そして、いつか手紙が溜まった時に「恋文の技術」と合わせて読み返してみたいなあと思います。

 

 本作品の主人公・守田は手紙の中で「裏表のない人物」と称されていますが、一方で、文通を通して普段ならとても言えないような本音を打ち明けていることも確かです。

 手紙やメールだからこそ、普段は言えないようなことが言えるっていう瞬間ってありますよね。私も落ち着いて画面や紙面に向き合うことができるものだからこそ、それらが表現に適していると思うことが多々あります。

 一方で、今流行のTwitterやLINEは短い文章を主体としているからこそ、このような大事な要素を疎かにしてしまうことがあります。もちろん、これらにはこれらの良さ、瞬発的な表現ができる、という醍醐味があるのですが、あまりにもそれに慣れてしまうと、自分の伝えたい事があまりにも簡素化してしまっていることに落胆してしまうときがあります。

「あれ?自分ってこんなに表現力なかったっけ?」そう思うことも少なくありません(だからこそブログを続けているのですが)。

「シンプルに伝えること」を選択しているのと、「簡素にしか表現できない」のでは雲泥の差があります。

 今の自分は数ある表現から何かを選ぶことができているのだろうか。

 そんなことを少し、思いました。

 

 いつか自分が大切な人に手紙を書くときは自分の気持ちも、伝わりやすさも考慮した文章を書いてみたいなあ。