本を読むこと-読書から何かを学ぶためのブログ-

読んだ書籍の個人的な感想を綴るためのブログです。ネタバレありです。Twitterもやっています。プロフィールをクリックしてください。

小説

リバース(湊かなえ)を読んだ感想・書評

リバース (講談社文庫) posted with ヨメレバ 湊 かなえ 講談社 2017-03-15 Amazon Kindle 楽天ブックス ネガティブな思考が物語を支配している。本書を読んでいると、そんな感想が頭を過った。主人公の男は友達が少ない、そのうえ弱気で世界を客観的に見て…

乱反射(貫井徳郎)を読んだ感想・書評

乱反射 (朝日文庫) posted with ヨメレバ 貫井徳郎 朝日新聞出版 2011-11-04 Amazon Kindle 楽天ブックス 乃木坂46の齋藤飛鳥がおすすめする小説という一点の理由で購入しました。今まで貫井作品を読んだことはなかったのですが、イメージとしては暗い作品が…

容疑者Xの献身(東野圭吾)を読んだ感想・書評

容疑者Xの献身 (文春文庫) posted with ヨメレバ 東野 圭吾 文藝春秋 2008-08-05 Amazon Kindle 楽天ブックス ガリレオとして有名な科学者の湯川学シリーズであり、映画化された一冊。僕も映画化された作品をテレビで見た記憶がある。堤真一演じる石神と福山…

怒り(吉田修一)を読んだ感想・書評

怒り(上) (中公文庫) posted with ヨメレバ 吉田 修一 中央公論新社 2016-01-21 Amazon Kindle 楽天ブックス 映画を鑑賞してから約半年が経ったころ、僕は原作である小説版の「怒り」を読むことにした。小説好きである職場の先輩に「小説の方が背景を深く知…

真相(横山秀夫)を読んだ感想・書評

真相 (双葉文庫) posted with ヨメレバ 横山 秀夫 双葉社 2006-10-01 Amazon Kindle 楽天ブックス 読んでいてもどかしさを覚える小説だった。横山秀夫が書く小説というのは得てしてそういうものが多い。しかし、ここに描かれている人間はもっとずっともどか…

邂逅の森(熊谷達也)を読んだ感想・書評

邂逅の森 posted with ヨメレバ 熊谷 達也 文藝春秋 2004-01-28 Amazon Kindle 直木賞と山本周五郎賞をダブル受賞した本作は、そのような獲得賞名を羅列せずとも、読めば優れた小説であることは一目瞭然である。ほとんどの人は、本書の主人公である富治が従…

グレート・ギャツビー(スコット・フィッツジェラルド)を読んだ感想・書評

グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー) posted with ヨメレバ スコット フィッツジェラルド 中央公論新社 2006-11-01 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo 村上春樹の小説やエッセイを読んでいると、否が応でも記憶の片隅に、この小説のタイトル…

コインロッカー・ベイビーズ(村上龍)を読んだ感想・書評

新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫) posted with ヨメレバ 村上 龍 講談社 2009-07-15 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo とても重たい小説で読み切るのにとても時間がかかってしまった。非常に文量のある小説であることは、本を手に取った…

スペードの3(朝井リョウ)を読んだ感想・書評

スペードの3 (講談社文庫) posted with ヨメレバ 朝井 リョウ 講談社 2017-04-14 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo 朝井リョウの小説には、人の気持が動く瞬間が鮮明に表現されているような気がする。誰もが抱えている社会で生きていくためのよすがや、…

A(中村文則)を読んだ感想・書評

A (河出文庫) posted with ヨメレバ 中村 文則 河出書房新社 2017-05-08 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo とても不思議な短編集だと思った。書いてあることは要素単位で見れば納得できることや私の思考を新しい場所へ誘うものがあるのだが、それぞれの…

静かな炎天(若竹七海)を読んだ感想・書評

静かな炎天 (文春文庫) posted with ヨメレバ 若竹 七海 文藝春秋 2016-08-04 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo 本書は「このミス」で第二位にランクインした一冊で、かくいう私も取り上げられている記事を読んでいるうちに興味がわいて読むことを決めた…

最後の医者は桜を見上げて君を想う(二宮敦人)を読んだ感想・書評

最後の医者は桜を見上げて君を想う (TO文庫) posted with ヨメレバ 二宮敦人 TOブックス 2016-11-01 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo 一時期、エンドコーナーに平積みになっている本書を様々な書店で見かけた。現代的で惹かれやすいタイトルと桜が描か…

たそがれ清兵衛(藤沢周平)を読んだ感想・書評

たそがれ清兵衛 (新潮文庫) posted with ヨメレバ 藤沢 周平 新潮社 2006-07-15 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo 村上春樹が文章の上手い小説家として絶讃していたのが、藤沢周平である。僕は村上春樹のエッセイでその一文を読んで本書を手に取った。当…

星やどりの声(朝井リョウ)を読んだ感想・書評

星やどりの声 (角川文庫) posted with ヨメレバ 朝井 リョウ KADOKAWA/角川書店 2014-06-20 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo 朝井リョウの作品には、何かが欠けていることが多い。 これは技量不足であることを伝えたいわけではない。物語の中に核として…

潮騒(三島由紀夫)を読んだ感想・書評

潮騒 (新潮文庫) posted with ヨメレバ 三島 由紀夫 新潮社 2005-10 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo 一週間ほど前、ふと僕は風景描写が上手い小説家の本を読みたいと思った。一年ぐらい前の僕は、心理描写に特徴のある文章が好きで、そのような特徴を…

風の歌を聴け(村上春樹)を読んだ感想・書評

風の歌を聴け (講談社文庫) posted with ヨメレバ 村上 春樹 講談社 2004-09-15 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo 本書を読むのは大学生以来、数年ぶりだ。初めて本書を読んだときの衝撃を僕は子細に思い出すことができる。まず村上春樹がデビュー当時か…

海辺のカフカ(村上春樹)を読んだ感想・書評

海辺のカフカ (上) (新潮文庫) posted with ヨメレバ 村上 春樹 新潮社 2005-03-01 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo 以前に海辺のカフカを読んだとき、僕は大学一年生だった。当時の僕は音楽にドハマリしていて、以前は熱心に読んでいた「本」というも…

ノルウェイの森(村上春樹)を読んだ感想・書評

ノルウェイの森 上 (講談社文庫) posted with ヨメレバ 村上 春樹 講談社 2004-09-15 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo 「ノルウェイの森」を読むのは高校生以来になる。改めて読んでみると、この小説がどれだけ心に刺さる世界観を持っていているかが身…

罪の声(塩田武士)を読んだ感想・書評

罪の声 posted with ヨメレバ 塩田 武士 講談社 2016-08-03 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo 本書は「週刊文春」ミステリーベスト10で第1位を受賞した作品である。その賞の名の通り。本書は戦後日本を代表する未解決事件「グリコ・森永事件」を参考…

クライマーズ・ハイ(横山秀夫)を読んだ感想・書評

クライマーズ・ハイ (文春文庫) posted with ヨメレバ 横山 秀夫 文藝春秋 2006-06-10 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo 以前に「第三の時効 」という横山秀夫の小説を読んだ。その際に僕はこう言及している。 横山秀夫の小説を読むといつも実感させられ…

蜜蜂と遠雷(恩田陸)を読んだ感想・書評

蜜蜂と遠雷 posted with ヨメレバ 恩田 陸 幻冬舎 2016-09-23 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo 恩田陸の直木賞受賞作である「蜜蜂と遠雷」は、とある国際ピアノコンクールに焦点を当てた一冊である。 ピアノコンクールに関して僕は多くを知らない。四月…

魔王(伊坂幸太郎)を読んだ感想・書評

本書に関する書評依頼を読者の方より受けたので、本記事を執筆する。様々な 本に関する知見を深めたいと考えているので、ぜひコメントいただきたい。 実は、僕は「魔王」の姉妹作(というよりも、ほぼほぼ続編)の「モダンタイムス」という作品を読んだこと…

首折り男のための協奏曲

首折り男のための協奏曲 (新潮文庫) 作者: 伊坂幸太郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2016/11/28 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (5件) を見る 伊坂幸太郎の短篇集。一冊にまとめるために書かれた作品ではないために実に多様な色合いを見せる一冊に…

本日は、お日柄もよく(原田マハ)を読んだ感想・書評

本日は、お日柄もよく (徳間文庫) 作者: 原田マハ 出版社/メーカー: 徳間書店 発売日: 2013/06/07 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (13件) を見る 電車内で頻繁に見かける広告があった。それは他の広告とは何かが違っていて、身動きがとれなくなるまで…

陰の季節(横山秀夫)を読んだ感想・書評

陰の季節 (文春文庫) 作者: 横山秀夫 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2001/10 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 133回 この商品を含むブログ (125件) を見る 横山秀夫のデビュー作である「陰の季節」を読み終えた。横山秀夫といば、警務部にスポット…

獏の檻(道尾秀介)を読んだ感想・書評

貘の檻 (新潮文庫)作者: 道尾秀介出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2016/12/23メディア: 文庫この商品を含むブログを見る 向日葵の咲かない夏を引き合いに出した帯がとても目立っていたので購入した。向日葵の咲かない夏は、僕が一番好きな道尾秀介の作品で、…

動機(横山秀夫)を読んだ感想・書評

動機 (文春文庫)作者: 横山秀夫出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2002/11メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 39回この商品を含むブログ (140件) を見る 横山秀夫の二作目である本書を読了した。意外だったのは本書の短篇四作における主人公の職業が、表題に…

書きあぐねている人のための小説入門(保坂和志)を読んだ感想・書評

書きあぐねている人のための小説入門 (中公文庫) 作者: 保坂和志 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2008/11 メディア: 文庫 購入: 25人 クリック: 111回 この商品を含むブログ (58件) を見る 本書を読めば、千人に二、三人は小説家としてデビューする…

マドンナ(奥田英朗)を読んだ感想・書評

マドンナ (講談社文庫) 作者: 奥田英朗 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2005/12/15 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 29回 この商品を含むブログ (137件) を見る 40代会社勤めの男性を描いた短篇を五作盛り込んだ短篇集だ。 かなりテンポ感の良い文体で…

i(西加奈子)の書評・感想

i(アイ) 作者: 西加奈子 出版社/メーカー: ポプラ社 発売日: 2016/11/30 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 「この世界にアイは存在しません」 主人公の名前はワイルド曽田アイ。アイという名前をもつ彼女にとっては衝撃的な言葉で物語は…