本を読むこと-読書から何かを学ぶためのブログ-

書評依頼お待ちしておりますm(_ _)m ※ネタバレありのブログです。

小説

ノルウェイの森(村上春樹)を読んだ感想・書評

ノルウェイの森 上 (講談社文庫) posted with ヨメレバ 村上 春樹 講談社 2004-09-15 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo 「ノルウェイの森」を読むのは高校生以来になる。改めて読んでみると、この小説がどれだけ心に刺さる世界観を持っていているかが身…

罪の声(塩田武士)を読んだ感想・書評

罪の声 posted with ヨメレバ 塩田 武士 講談社 2016-08-03 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo 本書は「週刊文春」ミステリーベスト10で第1位を受賞した作品である。その賞の名の通り。本書は戦後日本を代表する未解決事件「グリコ・森永事件」を参考…

クライマーズ・ハイ(横山秀夫)を読んだ感想・書評

クライマーズ・ハイ (文春文庫) posted with ヨメレバ 横山 秀夫 文藝春秋 2006-06-10 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo 以前に「第三の時効 」という横山秀夫の小説を読んだ。その際に僕はこう言及している。 横山秀夫の小説を読むといつも実感させられ…

蜜蜂と遠雷(恩田陸)を読んだ感想・書評

蜜蜂と遠雷 posted with ヨメレバ 恩田 陸 幻冬舎 2016-09-23 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo 恩田陸の直木賞受賞作である「蜜蜂と遠雷」は、とある国際ピアノコンクールに焦点を当てた一冊である。 ピアノコンクールに関して僕は多くを知らない。四月…

魔王(伊坂幸太郎)を読んだ感想・書評

本書に関する書評依頼を読者の方より受けたので、本記事を執筆する。様々な 本に関する知見を深めたいと考えているので、ぜひコメントいただきたい。 実は、僕は「魔王」の姉妹作(というよりも、ほぼほぼ続編)の「モダンタイムス」という作品を読んだこと…

首折り男のための協奏曲

首折り男のための協奏曲 (新潮文庫) 作者: 伊坂幸太郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2016/11/28 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (5件) を見る 伊坂幸太郎の短篇集。一冊にまとめるために書かれた作品ではないために実に多様な色合いを見せる一冊に…

本日は、お日柄もよく(原田マハ)を読んだ感想・書評

本日は、お日柄もよく (徳間文庫) 作者: 原田マハ 出版社/メーカー: 徳間書店 発売日: 2013/06/07 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (13件) を見る 電車内で頻繁に見かける広告があった。それは他の広告とは何かが違っていて、身動きがとれなくなるまで…

陰の季節(横山秀夫)を読んだ感想・書評

陰の季節 (文春文庫) 作者: 横山秀夫 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2001/10 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 133回 この商品を含むブログ (125件) を見る 横山秀夫のデビュー作である「陰の季節」を読み終えた。横山秀夫といば、警務部にスポット…

獏の檻(道尾秀介)を読んだ感想・書評

貘の檻 (新潮文庫)作者: 道尾秀介出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2016/12/23メディア: 文庫この商品を含むブログを見る 向日葵の咲かない夏を引き合いに出した帯がとても目立っていたので購入した。向日葵の咲かない夏は、僕が一番好きな道尾秀介の作品で、…

動機(横山秀夫)を読んだ感想・書評

動機 (文春文庫)作者: 横山秀夫出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2002/11メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 39回この商品を含むブログ (140件) を見る 横山秀夫の二作目である本書を読了した。意外だったのは本書の短篇四作における主人公の職業が、表題に…

書きあぐねている人のための小説入門(保坂和志)を読んだ感想・書評

書きあぐねている人のための小説入門 (中公文庫) 作者: 保坂和志 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2008/11 メディア: 文庫 購入: 25人 クリック: 111回 この商品を含むブログ (58件) を見る 本書を読めば、千人に二、三人は小説家としてデビューする…

マドンナ(奥田英朗)を読んだ感想・書評

マドンナ (講談社文庫) 作者: 奥田英朗 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2005/12/15 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 29回 この商品を含むブログ (137件) を見る 40代会社勤めの男性を描いた短篇を五作盛り込んだ短篇集だ。 かなりテンポ感の良い文体で…

i(西加奈子)の書評・感想

i(アイ) 作者: 西加奈子 出版社/メーカー: ポプラ社 発売日: 2016/11/30 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 「この世界にアイは存在しません」 主人公の名前はワイルド曽田アイ。アイという名前をもつ彼女にとっては衝撃的な言葉で物語は…

コンビニ人間(村田沙耶香)の書評・感想

芥川賞を受賞し、アメトーークで取り上げられることで爆発的に人気が加速した「コンビニ人間」を読了した。 コンビニ人間 作者: 村田沙耶香 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2016/07/27 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (33件) を見る 主人公は十…

何もかも憂鬱な夜に(中村文則)の書評・感想

本書を読んで、自分の中にある倫理観や価値観で、「この本の死刑に対する考え方は……」と論を急がないでほしい。僕は本書の価値はそこに留まらないと思うし、中村文則の小説は自分の世界観を広げてくれるところに価値があると判断しているからだ。 本書には光…

海の見える理髪店(荻原浩)の書評

本書は直木賞受賞作である。装丁の色合いが好きで気が付けば購入していたのだが、買い時と読み時が全く異なる僕の性格ゆえ、なかなか読むことができていなかった。 海の見える理髪店 作者: 荻原浩 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2016/03/25 メディア: ハ…

聖なる怠け者の冒険(森見登美彦)の書評

かわいい怪物たちが装丁に描かれている森見登美彦の作品がついに文庫化された。舞台はやはり京都で、ぽんぽこ仮面という狸の怪人が大暴れ? くだらないけど気が付けば次のページをめくってしまう不思議な物語であった。 聖なる怠け者の冒険 (朝日文庫) 作者:…

第29回小説すばる新人賞受賞者が決定 驚きの16歳

タイトルの通り、小説すばる新人賞の受賞者が決定したようだ。 急いで小説すばるを購入すると、なんと受賞者は16歳ではないか。大抵の人は自身よりも若い年齢で活躍している人と対峙するとき、「その頃の年齢の自分って何をしていたっけな」と振り返るのでは…

女のいない男たち(村上春樹)の書評

先日、村上春樹のエッセイを読んだ。影響を受けやすい僕はすぐに村上春樹の作品を手にとることにした。ちょうど読もうと思いつつ、ずっと本棚に置きっぱなしになっていた「女のいない男たち」がいいだろうと思った。 女のいない男たち (文春文庫 む 5-14) 作…

ひどい句点(佐々木愛)を読んだ書評

第96回オール読物新人賞 受賞作「ひどい句点」の書評を記す。 新人賞の受賞作をリアルタイムでブログのネタに使うのは初めてかもしれない。個人的に新人賞にはその人が作家としてどのように作品と向き合っていくのかという決意が記されていると考えているの…

第三の時効(横山秀夫)の書評

職場の先輩から唐突に第三の時効という小説を紹介された。 横山秀夫の本は何冊か読んでいたし、第三の時効を読むことにも躊躇いはなかった。そのためすぐに購入し読むことにした。職場で小説の話ができる!と実感できたことも僕の背中を押してくれた。 第三…

きりこについて(西加奈子)の書評

きりこは、ぶすである。 そんな衝撃の一文から物語は始まる。「ぶす」という一言は、基準に差はあれど、おおよその人間が同じような価値観を抱いている。それは「アホ」とか「ボケ」とかのように端的に相手を傷つける言葉だ。 西加奈子は本書の主人公ともい…

作家の収支(森博嗣)の書評

僕は森博嗣という作家を知らない。 しかし彼が有名な作家であると同時に、小説家という職業について、様々な情報を開示してくれる人間であることは知っていた。 そんな彼が作家のお金周りに関する本を出していたので購入した。 作家の収支 (幻冬舎新書) 作者…

となり町戦争(三崎亜記)を読んだ感想

「となり町戦争」というタイトルヵら本の内容を簡単に推察することができる。「なんとなく、こんな感じ何でしょう?」と本の概要を説明し始めるような人間だっていそうなぐらいだ。 僕もそのような考えをもっていた。「戦争」という言葉は、あまりにも近くに…

斜め屋敷の犯罪(島田荘司)を読んだ感想

ホラー作品を連想させるような装丁に、たじろぎながらも読了した。 その描写は「斜め屋敷」というよりも、「断崖絶壁にある古城」といった風で、実際に読んでみた時の印象と、読む前の印象では全くその様相が違ってきた。 改訂完全版 斜め屋敷の犯罪 (講談社…

モダンタイムス(伊坂幸太郎)を読んだ感想

人は大きなシステムの中にいる。 それは世界であったり、国家であったり、会社や学校であったり。大きな枠組の中に、またいくつかのシステムが存在しているのだから、それらは、無数に存在しているといえる。 このシステムの役割や意義について、考える作家…

サラバ!(西加奈子)を読んだ感想

久しぶりに全身に鳥肌が立つような物語に触れた気がする。 西加奈子が物語を紡ぐことに、想いを言葉にすることに、どれだけの時間と情熱をかけてきたのかを全身で感じることができる小説だった。 サラバ! 上 作者: 西加奈子 出版社/メーカー: 小学館 発売日:…

少女は卒業しない(朝井リョウ)を読んだ感想

「少女は卒業しない」 とてもいいタイトルだと思った。以前にも言ったことが何度かあるが、朝井リョウの小説はタイトルが個性的で、いいものが多い。それだけで読みたいという意欲を高めてくれる。 少女は卒業しない (集英社文庫) 作者: 朝井リョウ 出版社/…

もう一度生まれる(朝井リョウ)を読んだ感想

なんて強く人を惹きつけるタイトルなのだろうか。 初めて本書を目にしたとき、僕はそう感じた。物語のすべてをひと目で見ることができない世界で、その物語に与えられたタイトルは強い意味を持つ。朝井リョウはタイトルで人を惹きつけるのがとても上手い。そ…

64(ロクヨン)横山秀夫を読んだ感想[書評]

これは現実に起こっている出来事なのではないだろうか。 本書は読了した僕にそのような実感をもたらした。だが、これはあくまでも小説であり、物語である。横山秀夫がそれだけキャラクター像を創りあげるのが上手いのだと脱帽した。 横山秀夫が記者時代から…