本を読むこと-読書から何かを学ぶためのブログ-

読んだ書籍の個人的な感想を綴るためのブログです。ネタバレありです。個人的な感想や意見です、あしからず。

小説

忘れられた巨人(カズオイシグロ)を読んだ感想・書評

忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) posted with ヨメレバ カズオ イシグロ,Kazuo Ishiguro 早川書房 2017-10-14 Amazon Kindle 楽天ブックス 不思議な小説だった。読んでいて地に足が着かない感覚がずっとしているのに、それが何かわからない。それぞれの登…

惑いの森(中村文則)を読んだ感想・書評

惑いの森 (文春文庫) posted with ヨメレバ 中村 文則 文藝春秋 2018-01-04 Amazon Kindle 楽天ブックス 中村文則のショートショートを読むのは二度目になる。前回は「A (河出文庫)」という作品を読んだ。僕の記憶している限りでは、初めてこんな本を読んだ…

臨場(横山秀夫)を読んだ感想・書評

臨場 (光文社文庫) posted with ヨメレバ 横山 秀夫 光文社 2007-09-06 Amazon Kindle 楽天ブックス 終身検視官の倉石義男の周りで生きる男を主人公に立てた全八編が収められている。さすがに実際の警察官でこのような探偵仕立ての事件解決が頻繁に行われて…

残像に口紅を(筒井康隆)を読んだ感想・書評

残像に口紅を (中公文庫) posted with ヨメレバ 筒井 康隆 中央公論社 1995-04-18 Amazon Kindle 楽天ブックス アメトーークの本屋芸人で取り上げられて話題沸騰の一作。世界から「音」を消していくという実験的な小説です。装丁に描かれている女性の絵や、…

ダンス・ダンス・ダンス(村上春樹)を読んだ感想・書評

ダンス・ダンス・ダンス〈上〉 (講談社文庫) posted with ヨメレバ 村上 春樹 講談社 1991-12-01 Amazon Kindle 楽天ブックス 北海道での怒涛の冒険を終えた「僕」は、友人や恋人を失った喪失感を抱えたまま青年期までを終えようとしていた。私がまず驚いた…

カラスの親指(道尾秀介)を読んだ感想・書評

カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫) posted with ヨメレバ 道尾 秀介 講談社 2011-07-15 Amazon Kindle 楽天ブックス 善良で真っ当に生きる人間を騙すことでお金を得ている詐欺師。そのような所業を働く詐欺師は、一般的に「悪」として表現…

3年でプロになれる脚本術(尾崎将也)を読んだ感想・書評

3年でプロになれる脚本術 posted with ヨメレバ 尾崎 将也 河出書房新社 2016-11-29 Amazon Kindle 楽天ブックス 芸術作品を生み出す人間がここまで生産性の観点を考慮しながら執筆するのも珍しいだろう。具体的な努力の仕方とその理由を論理だてて説明する…

ソロモンの犬(道尾秀介)を読んだ感想・書評

ソロモンの犬 (文春文庫) posted with ヨメレバ 道尾 秀介 文藝春秋 2010-03-01 Amazon Kindle 楽天ブックス 青春真っ盛りの男子大学生が少年を巻き込んだ交通事故を目撃してしまう。事故の原因になった犬の行動について考えているうちに事件の真相に少しず…

日の名残り(カズオイシグロ)を読んだ感想・書評

日の名残り (ハヤカワepi文庫) posted with ヨメレバ カズオ イシグロ 早川書房 2001-05-01 Amazon Kindle 楽天ブックス 時代の凋落と共に自分のアイデンティティを失いつつある執事。彼の回想をもとにした不確かな語りから彼の仕事に対する思いや生き方に対…

わたしを離さないで(カズオ・イシグロ)を読んだ感想・書評

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) posted with ヨメレバ カズオ・イシグロ 早川書房 2008-08-22 この小説では限られた命を持つ若者が登場する。彼らは革命的技術によって生産されたクローン人間で、臓器提供のためだけに生まれ生きている。しかし、彼ら…

路傍(東山彰良)を読んだ感想・書評

路傍 (集英社文庫) posted with ヨメレバ 東山 彰良 集英社 2010-05-20 Amazon Kindle 楽天ブックス とにかく滅茶苦茶な二人の物語だ。こんなやつらが船橋にいるなんて考えたら身の毛がよだつ。今の船橋がアットホームなベッドタウンとしてのイメージを打ち…

AX(伊坂幸太郎)を読んだ感想・書評

AX アックス posted with ヨメレバ 伊坂 幸太郎 KADOKAWA 2017-07-28 Amazon Kindle 楽天ブックス 伊坂幸太郎の殺し屋シリーズ最新作を読んだ。読み始めてしばらくはあまりこの世界観に没入することができなかった。登場人物の兜は、かなり凄腕の殺し屋と評…

ホワイトラビット(伊坂幸太郎)を読んだ感想・書評

ホワイトラビット posted with ヨメレバ 伊坂 幸太郎 新潮社 2017-09-22 Amazon Kindle 楽天ブックス 伊坂幸太郎の最新作。タイトルから類推してファンタジー小説を執筆なさったのかと思ったら、密室もののトリック小説だった。密室に関するミステリー小説は…

ガール(奥田英朗)を読んだ感想・書評

ガール posted with ヨメレバ 奥田 英朗 講談社 2006-01-21 Amazon Kindle 楽天ブックス 僕は奥田英朗の短編集が好きで定期的に読み返している。何度読んでも好感を覚えるのは、文章の持つリズムの良さだ。普通だったら辟易とするような妬み嫉みが行き交う心…

Aではない君と(薬丸岳)を読んだ感想・書評

Aではない君と (講談社文庫) posted with ヨメレバ 薬丸 岳 講談社 2017-07-14 Amazon Kindle 楽天ブックス ※ネタバレ注意 読んでいて息が詰まる場面が何度もあった。少年がその場で感じている苦しみや底しれぬ怒りの感情が私に憑依しているかのようで、自分…

イッツ・オンリー・ロックンロール(東山彰良)を読んだ感想・書評

イッツ・オンリー・ロックンロール (光文社文庫) posted with ヨメレバ 東山 彰良 光文社 2010-02-09 Amazon Kindle 楽天ブックス ここ数か月で東山彰良の小説を数冊読んだ。彼の小説は立体的に迫ってくる。そこに生きている人や、彼らが見る風景が、まるで…

さすらい(東山彰良)を読んだ感想・書評

さすらい (光文社文庫) posted with ヨメレバ 東山 彰良 光文社 2009-05-12 Amazon Kindle 楽天ブックス 最初は読んでいて「非常に読みづらい小説だ」と思った。理由は明白で、バカがぐちゃぐちゃに語ったような文体に覚えづらい固有名詞、犯罪に手を染める…

影裏(沼田 真佑)を読んだ感想・書評

影裏 第157回芥川賞受賞 posted with ヨメレバ 沼田 真佑 文藝春秋 2017-07-28 Amazon Kindle 楽天ブックス かなり緻密に作られた小説だと思った。物語を繋ぐ叙述を大胆不敵に削ったかと思えば、細部まで再現するするかのような鮮やかな描写で読み手の思考を…

1973年のピンボール(村上春樹)を読んだ感想・書評

1973年のピンボール (講談社文庫) posted with ヨメレバ 村上 春樹 講談社 1983-09 Amazon Kindle 今更ながら本書を読んで、村上春樹が小説を通して考えていることの一端が垣間見えたような気がする。この考えに至ったのは、おそらく私がソクラテスやプラト…

崩れる 結婚にまつわる八つの風景(貫井徳郎)を読んだ感想・書評

崩れる 結婚にまつわる八つの風景 (角川文庫) posted with ヨメレバ 貫井 徳郎 角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-03-25 Amazon Kindle 楽天ブックス 本書を読んでいると時折、時代錯誤なモノや表現が出てくることに気づいた。特段そのような趣向を…

夜の国のクーパー(伊坂幸太郎)を読んだ感想・書評

夜の国のクーパー (創元推理文庫) posted with ヨメレバ 伊坂 幸太郎 東京創元社 2015-03-19 Amazon Kindle 楽天ブックス この物語は現実世界の延長線上に存在する。何の変哲もない成人男性が、気が付くと見知らぬ島に流れ着いていて、体が縛られている。し…

さよなら的レボリューション(東山彰良)を読んだ感想・書評

さよなら的レボリューション: 再見阿良 (徳間文庫) posted with ヨメレバ 東山 彰良 徳間書店 2016-03-04 Amazon Kindle 楽天ブックス この本を読んでいるとき、わたしは風邪を引いてしまい、寝込んでいた。せっかくの休日を年に数回しか引かない風邪で無駄…

死神の浮力(伊坂幸太郎)を読んだ感想・書評

死神の浮力 (文春文庫) posted with ヨメレバ 伊坂 幸太郎 文藝春秋 2016-07-08 Amazon Kindle 楽天ブックス この物語には、まともな人間なんて一人も存在しないのではないだろうか。そんなことを思いながら本書を読了しました。 元々、この死神シリーズは、…

流(東山彰良)を読んだ感想・書評

流 (講談社文庫) posted with ヨメレバ 東山 彰良 講談社 2017-07-14 Amazon Kindle 楽天ブックス まるで自分がその物語の中に生きているような感覚を抱く、そんな小説だった。 私は台湾を訪れたことがない。ましてや台湾の事情なんて知る由もなく、最初は人…

スプートニクの恋人(村上春樹)を読んだ感想・書評

スプートニクの恋人 (講談社文庫)作者: 村上春樹出版社/メーカー: 講談社発売日: 2001/04/13メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 67回この商品を含むブログ (371件) を見る『喪失』とは一体どんな状態を指すのだろうか。これは主人公がすみれを失うことで感じ…

リバース(湊かなえ)を読んだ感想・書評

リバース (講談社文庫) posted with ヨメレバ 湊 かなえ 講談社 2017-03-15 Amazon Kindle 楽天ブックス ネガティブな思考が物語を支配している。本書を読んでいると、そんな感想が頭を過った。主人公の男は友達が少ない、そのうえ弱気で世界を客観的に見て…

乱反射(貫井徳郎)を読んだ感想・書評

乱反射 (朝日文庫) posted with ヨメレバ 貫井徳郎 朝日新聞出版 2011-11-04 Amazon Kindle 楽天ブックス 乃木坂46の齋藤飛鳥がおすすめする小説という一点の理由で購入しました。今まで貫井作品を読んだことはなかったのですが、イメージとしては暗い作品が…

容疑者Xの献身(東野圭吾)を読んだ感想・書評

容疑者Xの献身 (文春文庫) posted with ヨメレバ 東野 圭吾 文藝春秋 2008-08-05 Amazon Kindle 楽天ブックス ガリレオとして有名な科学者の湯川学シリーズであり、映画化された一冊。僕も映画化された作品をテレビで見た記憶がある。堤真一演じる石神と福山…

怒り(吉田修一)を読んだ感想・書評

怒り(上) (中公文庫) posted with ヨメレバ 吉田 修一 中央公論新社 2016-01-21 Amazon Kindle 楽天ブックス 映画を鑑賞してから約半年が経ったころ、僕は原作である小説版の「怒り」を読むことにした。小説好きである職場の先輩に「小説の方が背景を深く知…

真相(横山秀夫)を読んだ感想・書評

真相 (双葉文庫) posted with ヨメレバ 横山 秀夫 双葉社 2006-10-01 Amazon Kindle 楽天ブックス 読んでいてもどかしさを覚える小説だった。横山秀夫が書く小説というのは得てしてそういうものが多い。しかし、ここに描かれている人間はもっとずっともどか…