本を読むこと-読書から何かを学ぶためのブログ-

読書のプロフェッショナル目指して邁進中。小説からビジネス書まで取り扱うネタバレありの読書ブログです。読書によって人生を救われたので、僕も色んな人を支えたいと思っています。noteでも記事を投稿しています。https://note.mu/tainaka3101/n/naea90cd07340

小説

出口のない海(横山秀夫)を読んだ感想・書評

※ネタバレ注意 出口のない海 (講談社文庫) posted with ヨメレバ 横山 秀夫 講談社 2006-07-12 Amazon Kindle 警察小説でない横山秀夫の作品を読むのは、これが二回目だと思う。正直に言ってしまうと、記事をどう書くか、ものすごく考えている。というのも、…

ポイズンドーター・ホーリーマザー(湊かなえ)を読んだ感想・書評

※ネタバレ注意です ポイズンドーター・ホーリーマザー (光文社文庫) posted with ヨメレバ 湊 かなえ 光文社 2018-08-08 Amazon Kindle 本書を読んで僕が思ったことが、ひとつある。それは、人は誰もが自分のストーリーを持っていて、このストーリーが、他人…

森に眠る魚(角田光代)を読んだ感想・書評

※ネタバレ注意 森に眠る魚 (双葉文庫) posted with ヨメレバ 角田 光代 双葉社 2011-11-10 Amazon Kindle タイトルから察する内容(ファンタジーっぽさ)とは大きくかけ離れた一冊だった。もちろんこれは僕の勝手な想像だし、そのことに不満足なわけではない…

ふがいない僕は空を見た(窪美澄)を読んだ感想・書評

※ネタバレあります。 ふがいない僕は空を見た posted with ヨメレバ 窪 美澄 新潮社 2010-07 Amazon Kindle 半年ぶりだろうか……久しぶりに小説を読んでいて、自然に涙がこぼれ落ちていた。それは最後の短篇に登場する母親の、息子に捧げる無償の愛に、僕が深…

ナラタージュ(島本理生)を読んだ感想・書評

※ネタバレ注意。 ナラタージュ (角川文庫) posted with ヨメレバ 島本 理生 角川書店 2008-02-01 Amazon Kindle つい最近、著者の島本理生が直木賞受賞した。元々気になっている小説家ではあったのだが、それが僕の背中を強く押した。それに僕自身も恋愛小説…

パンク侍、斬られて候(町田康)を読んだ感想・書評

パンク侍、斬られて候 (角川文庫) posted with ヨメレバ 町田 康 角川書店 2006-10-01 Amazon Kindle 楽天ブックス 感想を書くのが本当に難しい小説だなと思いました。今は、映画も上映されて勢いのある小説だし、話題のネタにもなりそうです。でも、この小…

ユートピア(湊かなえ)を読んだ感想・書評

ユートピア (集英社文庫) posted with ヨメレバ 湊 かなえ 集英社 2018-06-21 Amazon Kindle 楽天ブックス 湊かなえらしい一冊だった。様々な思惑がパズルのように入り乱れており、それが最後の独白ひとつで一気に組み合わさっていく。でも、そのパズルの正…

我が家のヒミツ(奥田英朗)を読んだ感想・書評

我が家のヒミツ (集英社文庫) posted with ヨメレバ 奥田 英朗 集英社 2018-06-21 Amazon Kindle 楽天ブックス 奥田英朗らしい短篇集だなと思った。 僕は、精神科医の伊良部シリーズやガールのような日常を描いた奥田英朗の短篇が好きだ。今作もそれぞれの家…

顔 FACE(横山秀夫)を読んだ感想・書評

顔 FACE (徳間文庫) posted with ヨメレバ 横山 秀夫 徳間書店 2005-04-01 Amazon Kindle 楽天ブックス 女性警察官の平野瑞穂を主人公とした連続短篇小説。この平野は「陰の季節 (文春文庫)」という作品にも登場する人物である。そちらでも語られている内容…

羊と鋼の森(宮下奈都)を読んだ感想・書評

羊と鋼の森 posted with ヨメレバ 宮下 奈都 文藝春秋 2018年02月09日 Amazon Kindle 楽天ブックス 本書は、映画化が決まっている。本屋大賞を受賞した作品なのだから、注目を浴びるのは当然だし、普段は注目されない職業である調律師を扱うのも良かったのだ…

水滸伝(北方謙三)を読んだ感想・書評

水滸伝 1 曙光の章 (集英社文庫 き 3-44) posted with ヨメレバ 北方 謙三 集英社 2006-10-18 全十九巻。読み終えるまでに三ヶ月を要しました。それでも、読んでいて間延びしたような感覚は全くなくて、早く次を読みたいと急かされたような期間でした。各人…

忘れられた巨人(カズオイシグロ)を読んだ感想・書評

忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) posted with ヨメレバ カズオ イシグロ,Kazuo Ishiguro 早川書房 2017-10-14 Amazon Kindle 楽天ブックス 不思議な小説だった。読んでいて地に足が着かない感覚がずっとしているのに、それが何かわからない。それぞれの登…

惑いの森(中村文則)を読んだ感想・書評

惑いの森 (文春文庫) posted with ヨメレバ 中村 文則 文藝春秋 2018-01-04 Amazon Kindle 楽天ブックス 中村文則のショートショートを読むのは二度目になる。前回は「A (河出文庫)」という作品を読んだ。僕の記憶している限りでは、初めてこんな本を読んだ…

臨場(横山秀夫)を読んだ感想・書評

臨場 (光文社文庫) posted with ヨメレバ 横山 秀夫 光文社 2007-09-06 Amazon Kindle 楽天ブックス 終身検視官の倉石義男の周りで生きる男を主人公に立てた全八編が収められている。さすがに実際の警察官でこのような探偵仕立ての事件解決が頻繁に行われて…

残像に口紅を(筒井康隆)を読んだ感想・書評

残像に口紅を (中公文庫) posted with ヨメレバ 筒井 康隆 中央公論社 1995-04-18 Amazon Kindle 楽天ブックス アメトーークの本屋芸人で取り上げられて話題沸騰の一作。世界から「音」を消していくという実験的な小説です。装丁に描かれている女性の絵や、…

ダンス・ダンス・ダンス(村上春樹)を読んだ感想・書評

ダンス・ダンス・ダンス〈上〉 (講談社文庫) posted with ヨメレバ 村上 春樹 講談社 1991-12-01 Amazon Kindle 楽天ブックス 北海道での怒涛の冒険を終えた「僕」は、友人や恋人を失った喪失感を抱えたまま青年期までを終えようとしていた。私がまず驚いた…

カラスの親指(道尾秀介)を読んだ感想・書評

カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫) posted with ヨメレバ 道尾 秀介 講談社 2011-07-15 Amazon Kindle 楽天ブックス 善良で真っ当に生きる人間を騙すことでお金を得ている詐欺師。そのような所業を働く詐欺師は、一般的に「悪」として表現…

3年でプロになれる脚本術(尾崎将也)を読んだ感想・書評

3年でプロになれる脚本術 posted with ヨメレバ 尾崎 将也 河出書房新社 2016-11-29 Amazon Kindle 楽天ブックス 芸術作品を生み出す人間がここまで生産性の観点を考慮しながら執筆するのも珍しいだろう。具体的な努力の仕方とその理由を論理だてて説明する…

ソロモンの犬(道尾秀介)を読んだ感想・書評

ソロモンの犬 (文春文庫) posted with ヨメレバ 道尾 秀介 文藝春秋 2010-03-01 Amazon Kindle 楽天ブックス 青春真っ盛りの男子大学生が少年を巻き込んだ交通事故を目撃してしまう。事故の原因になった犬の行動について考えているうちに事件の真相に少しず…

日の名残り(カズオイシグロ)を読んだ感想・書評

日の名残り (ハヤカワepi文庫) posted with ヨメレバ カズオ イシグロ 早川書房 2001-05-01 Amazon Kindle 楽天ブックス 時代の凋落と共に自分のアイデンティティを失いつつある執事。彼の回想をもとにした不確かな語りから彼の仕事に対する思いや生き方に対…

わたしを離さないで(カズオ・イシグロ)を読んだ感想・書評

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) posted with ヨメレバ カズオ・イシグロ 早川書房 2008-08-22 この小説では限られた命を持つ若者が登場する。彼らは革命的技術によって生産されたクローン人間で、臓器提供のためだけに生まれ生きている。しかし、彼ら…

路傍(東山彰良)を読んだ感想・書評

路傍 (集英社文庫) posted with ヨメレバ 東山 彰良 集英社 2010-05-20 Amazon Kindle 楽天ブックス とにかく滅茶苦茶な二人の物語だ。こんなやつらが船橋にいるなんて考えたら身の毛がよだつ。今の船橋がアットホームなベッドタウンとしてのイメージを打ち…

AX(伊坂幸太郎)を読んだ感想・書評

AX アックス posted with ヨメレバ 伊坂 幸太郎 KADOKAWA 2017-07-28 Amazon Kindle 楽天ブックス 伊坂幸太郎の殺し屋シリーズ最新作を読んだ。読み始めてしばらくはあまりこの世界観に没入することができなかった。登場人物の兜は、かなり凄腕の殺し屋と評…

ホワイトラビット(伊坂幸太郎)を読んだ感想・書評

ホワイトラビット posted with ヨメレバ 伊坂 幸太郎 新潮社 2017-09-22 Amazon Kindle 楽天ブックス 伊坂幸太郎の最新作。タイトルから類推してファンタジー小説を執筆なさったのかと思ったら、密室もののトリック小説だった。密室に関するミステリー小説は…

ガール(奥田英朗)を読んだ感想・書評

ガール posted with ヨメレバ 奥田 英朗 講談社 2006-01-21 Amazon Kindle 楽天ブックス 僕は奥田英朗の短編集が好きで定期的に読み返している。何度読んでも好感を覚えるのは、文章の持つリズムの良さだ。普通だったら辟易とするような妬み嫉みが行き交う心…

Aではない君と(薬丸岳)を読んだ感想・書評

Aではない君と (講談社文庫) posted with ヨメレバ 薬丸 岳 講談社 2017-07-14 Amazon Kindle 楽天ブックス ※ネタバレ注意 読んでいて息が詰まる場面が何度もあった。少年がその場で感じている苦しみや底しれぬ怒りの感情が私に憑依しているかのようで、自分…

イッツ・オンリー・ロックンロール(東山彰良)を読んだ感想・書評

イッツ・オンリー・ロックンロール (光文社文庫) posted with ヨメレバ 東山 彰良 光文社 2010-02-09 Amazon Kindle 楽天ブックス ここ数か月で東山彰良の小説を数冊読んだ。彼の小説は立体的に迫ってくる。そこに生きている人や、彼らが見る風景が、まるで…

さすらい(東山彰良)を読んだ感想・書評

さすらい (光文社文庫) posted with ヨメレバ 東山 彰良 光文社 2009-05-12 Amazon Kindle 楽天ブックス 最初は読んでいて「非常に読みづらい小説だ」と思った。理由は明白で、バカがぐちゃぐちゃに語ったような文体に覚えづらい固有名詞、犯罪に手を染める…

影裏(沼田 真佑)を読んだ感想・書評

影裏 第157回芥川賞受賞 posted with ヨメレバ 沼田 真佑 文藝春秋 2017-07-28 Amazon Kindle 楽天ブックス かなり緻密に作られた小説だと思った。物語を繋ぐ叙述を大胆不敵に削ったかと思えば、細部まで再現するするかのような鮮やかな描写で読み手の思考を…

1973年のピンボール(村上春樹)を読んだ感想・書評

1973年のピンボール (講談社文庫) posted with ヨメレバ 村上 春樹 講談社 1983-09 Amazon Kindle 今更ながら本書を読んで、村上春樹が小説を通して考えていることの一端が垣間見えたような気がする。この考えに至ったのは、おそらく私がソクラテスやプラト…